真珠のアレコレ~最近人気のピンクパール~
当店でも、ご来店されたお客様から
「出来ればホワイトか、ピンクのネックレスを」
「ピアスが欲しいのですが、金具はシルバーで真珠(パール)はピンク色で」
というお声が多くなりました。
そもそも真珠(パール)の色ってなに?
真珠(パール)ってホワイトじゃないの?
というお声も沢山あります。
なので、真珠のアレコレについて一緒に知識を深めていきましょう。
- 真珠の色について
- ピンクパールが良いとされる理由
- 調色とは
- 無調色とは
- 真珠の価値を決める6つの要素
- 冠婚葬祭にピンクパールは大丈夫?
- ブルーピンクパールとピンクパールの違い
真珠の色について
ピンクパールが良いとされる理由
お化粧で頬にチークを入れると華やかな印象になります。この様に真珠もピンク色が入る事で華やかな印象になり日本人の肌に合うということや、過去に欧米に輸出する際に人気がありバブル前後の頃はピンク色が強ければ強い程人気がありました。
需要に合わせるように人工的に赤い染料を少し染み込ませた調色真珠が一般的になったと思われます。
調色とは
真珠(パール)は貝から採り出した時から既に販売されているものと同じ様な色やレベルで輝くものだと思われている方も多いと思いますが、そのような真珠は滅多に存在せず多くは染みや汚れを持っていたり真珠層の間にあるタンパク質の黄色が出ていたり、そのままでは宝飾品としての価値が十分に発揮できない状態で貝から出てきます。多かれ少なかれこの染みや汚れを落とすために何らかの処理を施されています。
あこや真珠というのは本来ほんのりとさす淡いピンク味を持っていますが、漂白の段階でそのピンク味まで漂白されてしまう場合があります。
それを補って元の状態に戻してあげる加工が調色です。
あくまでも元のピンク味を補う加工ですので、粗悪な真珠はいくら調色を施しても綺麗になることはありません。また調色をする事で色のばらつきが抑えられネックレスに組みやすくなる事も事実です。
世間一般で調色が何かいけないことのように捉えられている節があります。
これは真珠業界がお客様の夢を壊さないようにとの配慮で、長年調色についての明言を避けてきたことも原因ですし
実はピンク色というのは加工である程度調整が出来てしまう色でもあります。
一方、ブルーは浜揚げした真珠そのものに入っていないと、加工では調色はできません。
無調色とは
染みや汚れを落とす漂白処理までを施しただけの文字通り調色を行っていない真珠(パール)のことです。
一概には無調色だから良い、調色だから悪いとは言えません。
適切な技術により調色が施された真珠の方が真珠らしさを発揮していることも多いので、真珠を選ぶ時にはあまり調色、無調色にこだわり過ぎず
まず真珠として美しいかどうかを基準にして選ばれると良いでしょう。
真珠(パール)の価値を決める6つの要素
真珠そのものの評価基準項目は6つあります。それは
テリ、巻き、色、形、傷、大きさ
をそれぞれ考慮して価値を決めます。
テリ
輝きの強さを表し、強く輝いている真珠はテリが良いと表現します。
私どもが真珠をお勧めする時、最も重要視するのがこのテリです。何故なら、輝いている真珠は少し遠目に見ても「あの真珠は綺麗だな」と誰でも分かるからです。
この輝きは、真珠層の均一さや表面の滑らかさ、不純物の含有率、巻きの厚さなどで変化します。 自分の顔が映し出されるほどテリの強いものが良い珠です。
養殖観点から、最高のテリの真珠が出来上がる為には核入れ前の貝の状態から良くないといけませんし、卓越した核入れ技術も必要です。また核入れしてから真珠を取り出すまで8か月~1.5年あこや貝に何らかの大きいダメージがあってもいけません。かといって貝に対して優しすぎる管理もいけません。
巻き
巻きとは、真珠層の厚みの事です。
貝の体内で炭酸カルシウムが分泌され、少しずつ少しずつ真珠層が形作られていきます。
真珠層が厚い真珠は巻きが良いと表現し、巻きが良いと深みのある色になったり、サイズアップになったり、経年劣化も遅くなります。幾重にも織り重なった厚い真珠層の巻きが、真珠特有の深遠な色やテリを生み出しているのです。
多くの鑑定機関では、片側0.4㎜以上の真珠層の厚みがあると「花珠」の巻きの基準をクリアしている事にしています。鑑定機関に依頼をするとYamashita-Pearlのネックレスの多くは0.5㎜以上の巻きがあるとデータが出ております。
9㎜10㎜の方穴になりますと1.0㎜以上の巻きがある事が多いです。凄いことです。
養殖観点から真珠を生産するに際し狙うサイズは概ね決まっています。同じ8㎜でも狙って作られた8㎜と、7㎜狙いの中から巻き上がってきた8㎜とでは値段が違ってきます。
色(光彩)
貝、海、人が行う管理により、様々な色の真珠が生まれます。真珠層は貝殻の裏側のピカピカした部分と同じ成分でできているため、良質なものほど真っ白ではなく、ブルーやピンク、イエローなど様々な色を放っています。
逆に、真珠層がうす巻きの珠は、中の核が透けて見えるために、白っぽく見えます。
なお、ブルーピンクで無くとも、一粒の中に複数の色が見えるものほど良い珠です。
また、宇和島の海で育った真珠(パール)は自然にピンク色を持っている事も人気がある大きな理由の一つです。
形
大きく分けるとラウンド系(真円)、バロック系(ゆがみ、ドロップ、オーバル、だるま等)の2種類になります。
工業製品ではないため、厳密には完全なる真円の珠は存在しません。
より真円に近い方が高価ですが、ただ丸いだけより、巻きが良くテリも強いバロックの方が綺麗で高価と言うこともあります。
形は一つの個性として判断される傾向があり、あえていびつな形状の珠のみで作られたバロック真珠のアクセサリーなどが人気を博しているほどです。
養殖観点から真円になるのか歪むのかは核入れのちょっとした技術で大きく変わります。
傷
真珠表面にある突起やエクボの事を言います。
貝の中で育った真珠には傷は付き物で、本物の真珠である証でもあり、個性でもあります。
小さな傷ですと身につけていても近くでじっくり見ないと気が付きませんので傷が有無で選ぶよりテリを重視して選ぶ方が良いと思います。とは言え、傷は無いに越したことはありません。
なお、厚巻きになるためには、より長い時間海の中にいる必要が有るため、傷の出現率が高まります。
大きさ
あこや真珠には3㎜の小さい物から11㎜といった大きい物まであります。
表記の仕方は0.5㎜刻みで、7.0㎜と表記されていたら7.0〜7.4㎜を表します。
一般に6㎜未満をベビーパールと呼び、中でもさらに小さい3㎜~4㎜を厘珠(りんだま)と呼びます。
他の評価基準が同等であれば、より大きなものほど希少価値が高いため、値段も高くなります。
ただ、デザイン的に小さい方が合うもの、大きいと存在感がありすぎて合わないものもあるため、デザイン性の観点からは大きいものほど良いもの、という訳ではありません。
冠婚葬祭にピンクパールは大丈夫?
お葬式では本来アクセサリをつける必要は無いです。
真珠は涙の象徴であり、白く丸い粒が悲しみを表すともいわれるため、葬式には適しているとされているのです。
真珠の色については明確な決まりはなく、人によって意見は様々です。
真珠をつけるべきである!
という決まりがあるわけではないので、ネット上でもお葬式の真珠に関しては、さまざまな意見が見られます。
もし、身に付けるなら
- 一連のものにする。(二連だと「不幸が重なる」という意味合いになるため)
- ロングタイプは避ける。(ロングは「悲しみが長引く」という意味合いになるため)
- 一粒ネックレスは避ける。
- 大きさは7mm~8mm(大きすぎると華やかな印象を与えるので)
- 濃いピンクパールではなく、淡い色合いのピンクパール。
ご参考になれば幸いです。
ピンクパールとブルーピンクパールの違い
ほとんどの真珠は染みや汚れを落とすために何らかの漂白処理を施され、ピンク味も漂白されてしまいます。
ですが写真のように、無調色でもピンク味がキレイに残ったもの、調色真珠でもピンクが強いものをピンク系真珠として扱っています。
ブルーは浜揚げした真珠そのものに入っていないと、加工では調色はできません。
漂白加工され真珠本来の干渉色が薄れていく中、加工後もしっかりとブルーとピンクが残って仕上がった貴重な真珠はブルーピンクとして扱っています。
調色された真珠でも当店が認めるブルーとピンクがしっかりあるものについてもブルーピンクとして扱っています。
お勧めはもちろんブルーピンクパールなのですが
これは、好みにもよりますので1度店舗にて見比べてみてもらえればと思います。
長々とお付き合い下さり、ありがとうございました。
語り尽くせない魅力が、真珠にはまだまだあります。
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